近年、福山市では大雨による災害が頻発しています。2016年6月の猪之子川堤防決壊による洪水被害や2017年7月の市内約70か所にわたる道路冠水被害は、皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。災害発生時慌てず迅速に避難ができるよう、身近な地域にどんな危険が潜んでいるか、どのように避難するかしっかりと事前に確認しておくことが重要です。
目次
大雨時には様子が一変!危険な場所を把握しておこう

災害発生の可能性がある場所を知るには市が発行しているハザードマップ(災害ごとに危険と想定される範囲や避難場所を地図で示したもの)を利用するのが良いでしょう。これは市のホームページでも確認できますし、防災ガイドブックとして配布も行われています。自宅周辺だけでなく、勤務先や学校・幼稚園、よく利用する商業施設など生活圏内全体をチェックしておくことが重要です。
増水による危険度が高い!アンダーパス・側溝
福山市には山陽本線と福塩線が走っており、この線路の下をくぐるように作られた道路(アンダーパス)がいくつもあります。ここは大雨により一気に増水し、冠水しやすい場所なので、大丈夫と思って通行していても、あっという間に冠水し立ち往生してしまう可能性があります。また、蓋のない側溝が多いのも福山市の特徴の一つです。普段は気にも留めないところが、大雨時には水が溢れ道路と側溝の境目がわかりにくくなり落下してしまうかもしれない非常に危険な場所となるのです。
大雨により福山市の芦田川流域で堤防の決壊や氾濫、土砂崩れが発生し明日で一年。
この一年、被災箇所の復旧に尽力された方々、事業所のみなさまに敬意を表します。
今年は適度な降雨ののちに、普通の暑さの夏が訪れるとよいですね!画像は、その日午前の芦田川増水による河川敷の冠水状況など。 pic.twitter.com/9UugEvYOD2
— 福山自動車時計博物館 (@FACM_0849228188) 2017年6月22日
災害警戒区域は市内1,000か所以上!洪水・土砂災害
大雨が引き起こす災害といえば洪水や土砂災害が挙げられます。福山市は芦田川をはじめ複数の川が流れており、その中洲や埋め立て地など海抜0m以下の地域がいくつもあり、大雨による洪水や決壊が発生すると甚大な被害が発生する可能性があります。
また、国が定めた土砂災害発生の可能性がある場所の数は、広島県が全国1位。そのうち福山市には土砂災害警戒区域が1,750か所、土砂災害特別警戒区域が1,643か所指定されています。(2017年11月2日現在)福山市は大雨に弱い地域と言えるので、災害発生が予想される場所はチェックしておきましょう。
どこへ避難したらいい?安全な場所を知っておこう

避難勧告が発令されたときどこへ避難したらいいかわからず戸惑うことがないように、事前に市のHPなどで指定避難場所を確認しておきましょう。これについても、いつ避難する状況になるかわからないので、自宅に限らず生活圏内全体をチェックしておく必要があります。指定避難場所以外にも、公園神社などの広い空間や消火設備のある場所、コンビニ・スーパー・病院などへ避難も有効です。
どうやって避難する?家族で防災会議を開こう
避難が必要となるとき、必ずしも家族全員が一緒とは限りません。そのためにも、家族で防災会議を行い、どこが危険な場所か、どこへ避難するか、何を持って避難するかなど事前に話し合い決めておくと良いでしょう。
家族みんなで助け合い!役割分担を決めておこう
家族一人ひとりが必ずしも自力で避難できるとは限らないので、乳幼児や高齢者、ペットの避難支援は誰が行うか、どんな物が必要となるか十分に確認しておきましょう。例えば乳幼児と一緒に避難する場合、おむつやミルクが必要となりますし、避難所でぐずったときにおもちゃ・体調を崩したときに母子手帳のコピーなどがあると安心です。大雨により増水した道を進むのは大人でも困難であり、歩行可能の水深は大人の男性70cm・女性50cmほどと言われています。避難支援が必要な方がいる場合はそうなるよりも早めに避難する必要があるので、迅速な対応が出来るようにしておきましょう。
休日は家族で防災訓練に参加!避難時のイメトレをしよう
地域で行われている防災訓練に家族で参加して実際に歩いてみることで、防災マップでチェックした危険個所や避難経路の共有ができ、避難時がイメージしやすくなります。また、2018年2月8日より、近くの避難所までのルート検索や気象情報の通知などが行える「防災アプリ・全国避難所ガイド」が福山市でも利用できるようになりました。災害用伝言ダイヤル「171」や各携帯会社が提供している災害用伝言サービスなどとあわせて利用方法を確認しておくと良いでしょう。
まとめ
大雨が引き起こす洪水や土砂災害などの恐怖は計り知れませんが、これらは気象情報によりある程度予測可能な災害ともいえます。雨は身近な存在で危険意識が働きにくいですが、災害を引き起こすほどの大雨は季節に限らずいつでも発生する可能性があります。いざ災害が発生し、避難勧告が出されたときに慌てないよう事前確認し、十分に備えましょう。

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執筆:ネコ・チヒロ
ちなみに災害避難で女性が「これがあったら便利」と思った持ち物は
ウェットティッシュ
ペットボトルの水
毛布類
お菓子
生理用品
マスク
ラップ
などだそうです。