失敗談に学ぶ、PTA活動にグループウェアをスムーズに導入する方法




何かと煩雑なPTA活動、ボランティアなんだから効率化を進めたい。そんな時に強い方になってくれるかもしれないグループウェアですが、果たしてうまく導入できるかどうか…できなかったら意味ないし…?

そこで、グループウェアを導入しようとして失敗してきた組織の失敗談からどうすればスムーズにグループウェアが導入できるのか探してみました。
ちなみにPTAなんで「無料」のグループウェア導入を想定しています。

ちなみに管理人、今年はPTA専門部の部長でして。
これからグループウェアを導入しようとしています。さあ…どうなるか…。

グループウェアの機能をおさらい

PTAで使いそうなグループウェアには、

  • グループチャット
  • 共有カレンダー
  • タスク
  • 共有フォルダ(文書やデータを管理するスペース)
  • 共有掲示板(マニュアルや連絡事項を掲示)
  • アンケート機能

などがついています。容量、人数などに制限はありますが、無料で使えるものがたくさんあります。

失敗談1 一気に全員参加を試みた

「便利なシステムがあるって!」「回覧板回したり紙でアンケート回収しなくて済むって!」など、便利機能に飛びついていきなり全員参加してしまうと、システム移行期間がないためあちこちで「こんなはずではなかった」が発生。結果、使うのが嫌になり「不便だけど元のままのほうがまだスムーズだわ」という結果になりやすいのです。
また、リテラシーが高い一部の人だけしか使えなかった、というオチもわりとありがち。

失敗談2 運用に詳しい人がいなかった

PTAの連絡網として定番のLINEですが、使い方に詳しい人ばかりではないのはご存じの通り。「友達追加ってどうやるの?」「グループに参加するってどうすればいいの?」から始まり、返信スピードや返事の有無などの認識は人それぞれ。
「こういう時は、こうするものです」という旗振り役がいないと、ぐだぐだ運用になりかねません。メッセージのやり取りだけであるLINEですらそうですから、複雑な作業を行うグループウェア導入に際して運用に詳しい人がいなければ、グループウェアのメリットを活かせない可能性があります。
「掲示板の使い方がわからないから、紙ベースで回しますねー」とかだと、なんのためのグループウェア導入なんだか…

失敗談3 活動内容に適したツールではなかった

以前紹介したことがあるチャットワーク、Wantedly Chatですが、メインはメッセージのやり取りツールでカレンダー、掲示板などはありません。
行事ごとに細かくスケジュールを立て、やることがいくつも同時進行なので、各メンバーが進捗状況に気を配らなければならないような活動をしていれば、カレンダーやタスク機能は必要です。となるとチャットワークやWantedly Chatは向きません。
逆に企画会議や打ち合わせなどが多く、LINEのやりとりだけではちょっと…でも、決まってしまえばあとは決定事項に合わせ準備して終了! という場合はチャット機能だけで事足りますよね。

参考:

 

まずは小人数でお試し運営

というわけで、ここからは「うまく導入するためのポイント」です。
まずは小人数で運営してみます。部長と副部長だけでやってみるとか。特定の行事の担当メンバーだけで運営してみるとか。
とりあえずやってみて、選んだツールで問題なく行事が終えられるか、課題は何かを確認し、次の担当で課題をフィードバックして…をやってみて。
少なくと、このツール運用に詳しい人を作りましょう。
ツールを使う上での不満の声を拾い上げて、解消していくのが全員参加を目指すコツです。

参加範囲を広げていく場合、普段からデジタルツールを使い慣れている人なら「こういうものか」というのがすぐつかめますが、使い慣れていない人だと直感的な操作も難しいことがありますので、使い方マニュアルや講習会なども必要かも。

スマホでも使えないとダメ

デジタルツールですが、基本はパソコンで操作するように作られているものの、やはり「スマホでも使えないと困る」という人が多いのも事実です。自宅にあるパソコンはもはやインテリアです。という人も少なくないです。
ツールを選ぶときはスマホに対応しているものを選びましょう。

成功例を作っていこう

便利なデジタルツールですが、使ったことがない人には「利便性がわからない。面倒くさい。もう回覧とか紙でいんじゃね? 困らないし」とか言い出しかねません。

ムトウ
その回覧板を作る私の負担はどうなるんだよ!
パッとアップして資料ダウンロードしてくれたら助かるんだ!

とりあえずデジタルツールに抵抗感が少ないメンバーで「お試しで」やってみて、成功例を作っていきましょう。運用でき、利便性を実感できれば浸透させていくことも可能です。特にPTAは前年通りにやるのが好きなので、本部からのお知らせや、前年度の行事一覧といったマニュアル的なものを載せておくといった「お試し状態」を2、3年も続ければツールとして定着する可能性が高いでしょう。使いこなしている機能がごく一部だけであっても。

PTAでの導入にトップダウンは必要か

組織でグループウェアを導入するにあたり、効果的なのはトップダウンで進めること。「稟議は社内SNSでしか受け付けない」としてしまえば、使わざるを得ないのですが、PTAの場合はボランティアなのでトップダウンは脱落者を作ります。「私、こういうの全然ダメなんですよー」と笑顔で言われたら「やりなさい」とは言えないでしょう。そうしてこの人は消えていくのです。

こういう人を増やすとグループウェア導入は立ち消えてしまいますので、ハードルは低く印刷物配布のかわりにネット掲示板を見てね、というところからスタートするのがいいでしょう。

もはやグループウェアである必要が感じられませんが…、いえここから「締め切りはここですので1週間前までに提出してください」など、カレンダーを仕込んだり「終わったら完了ボタンを押してね」といってタスクを仕込んだりするんですよ! そのためにも、使い方に詳しい人は必要です。

お客様を作らないコツは?

PTA、町内会などの強制ボランティアwには必ず「とやかく言われたくないから、顔だけ出す。やる気はない」というお客様役員がいます。
町内一斉清掃みたいな、お客様でも人出がいればなんとかなる行事なら別にいてくれてもいいのですが、運営側になるとそうもいきませんよね。

2:6:2の法則というものがあります。無作為に集めた10人のうち、使える人は2人、普通の人6人、役に立たない人は2人になる、というもので、社内のデキるトップメンバーを集めたスペシャルチームであっても、やっぱり10人中2人くらいはおサボリしてしまうのだとか。
委員長、部長はこのことも頭に入れて運営をしていくといいかもしれません。

PTAはボランティアなので強制するとフェードアウトしていきます。基本は「できる人が、できる時に、できることを」ですが、逃げ得がまかり通っている組織だと責任者に全部のしかかってきますので、やはり最初に役割分担を決め、振ってしまうことが大切。
「これはあなたの担当。やってね」と。
「私できないですうー」には、できることをやってもらいましょう。パソコンが使えない? 買い出し、受付、後片付けとかね。できる人ができることを。

また、委員長、部長は有無を言わせない態度よりはニコニコして「私を助けてください」「みんなでやりましょうね」と言う雰囲気のほうが、協力者を得やすいです。
やることに対して締め切りを設けること、締め切りには余裕を持つこと、できるだけ前倒してやっていくことも重要。

なお、私のチームは文書回覧をチャットワークでしませんか、という提案に10人中8人が気絶反応を起こしていますwww
知識として知ってはいたけれど、なるほど「2:6:2の法則は正しかった」と感心しました。

LINEで予定や注意事項回したらとんでもない長文になるし、だいたいLINEってあとからメッセージ探すの大変じゃないですか?

普段のやりとりならともかく…

グループもあとから参加した人は、以前のメッセージややり取りを見ることができませんし。いやまあ方法はないわけでもないけど…

と思ったのは、私だけなのかも。

 

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