紫外線が強い季節の必需品、日焼け止め。日差しが強い季節のドラッグストアには、ずらっと各メーカーの日焼け止めが並んでいます。
ところで、同じSPF30、PA++でも500円前後のものから、2000円越えのものまであったりするのは、なぜでしょう?
安い日焼け止めと、高い日焼け止めの違いを調べてみました。
目次
メカニズムの違いと価格は関係がない

日焼け止め、どういうメカニズムで日焼けを防いでいるかご存知でしょうか?
日焼け止めの仕組みは大きく分けて2つ、紫外線を反射する「紫外線散乱剤」タイプと、紫外線を熱エネルギーに変える「紫外線吸収剤」タイプの2つ。
紫外線散乱剤タイプとは?
紫外線を反射する金属のベールを肌の上に作って、メラニン色素の生成を抑えます。金属を使ったベールなので白浮きしやすく、紫外線には反射で対応するので効果は紫外線吸収剤よりも弱め。その代わり、紫外線吸収剤よりは肌に優しいのが特徴。
紫外線吸収剤タイプとは?
肌の上に紫外線を熱に変える化学物質を乗せることで、肌への紫外線の侵入を防ぎます。紫外線散乱剤より効果が強い反面、化学反応で紫外線を熱に変えるため、肌が乾燥しやすく、化学物質を乗せているので人によっては肌荒れを起こしてしまうことも。
日本では認可された化学物質しか日焼け止めには使用されていません。
化学反応を起こさない紫外線散乱剤タイプは「ノンケミカル」と称されることもありますが、最近では散乱剤や吸収材をカプセルに閉じ込め直接肌に触れない「カプセルインタイプ」も登場しています。
値段の差は、使いやすさの差
日焼け止めで価格が違うのは、散乱剤か吸収剤かの違いというより、使い心地やプラスアルファの性能を持っているかどうかによります。肌に優しい処方をしている、テクスチャが伸びやすい、白浮きしない、保湿成分や美白成分が配合されている、などなど。
ということから、一般的に高い方が使い心地がいい、ということが言えます。感じ方には個人差はあると思います。
肌に優しいのは紫外線散乱剤タイプ
肌に優しいのは紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプですが、効果が高いのは紫外線吸収剤タイプです。赤ちゃんや小さなお子さん、肌が弱い人などは紫外線散乱剤タイプが向いていると言えますが、白浮きの傾向があり、こまめな塗り直しも必要となります。
ケミカルでも気にならないなら、肌に直接触れずに効果を発揮するカプセルインタイプのケミカル日焼け止めは、伸びも白浮きもしないので使い勝手がいい日焼け止めと言えるでしょう。
赤ちゃんにも使える吸収剤不使用(ノカケミカル)日焼け止め
赤ちゃんにも使える低刺激のノンケミカル焼け止めを探してみました。
ノエビア レイセラ ミルキーベビー UV
小児科医の指導のもと、6ヶ月~6歳児を対象にモニターテストを実施して開発された日焼け止め。ぬるま湯でも落とせます。
無香料、無着色、無鉱物油、紫外線吸収剤・パラベン・アルコール不使用
SPF25・PA++
アロベビー UVモイストミルク
純国産のオーガニック日焼け止め。ぬるま湯で落とせる肌に優しい処方です。
紫外線吸収剤不使用、100%自然由来成分
無添加・無着色のラベンダーとローズのオイルを配合し、アロマ効果で赤ちゃんもママも心地よく使えます。
パックスベビー UVクリーム
紫外線吸収剤不使用、赤ちゃんや敏感肌など繊細なお肌向きの日焼け止め。せっけんで落とせます。
30g600円(税抜)と、コスパがいいのも特徴。
「ナノ粒子」は危険なの?
日焼け止めの中には成分を「ナノ粒子」という非常に小さな粒子にして配合しているものもあります。主にケミカルタイプで使用される技術で、成分をナノ粒子にすると伸びが良く白くなりにくいという性質が生まれるため、日焼け止めの使い勝手が向上するのです。
このナノ粒子はとても小さいため、細胞と細胞の隙間を通り抜け、角質層の奥に浸透していくと言われています。ただ、加工時点では皮膚バリアを通り抜けるサイズ(10nm~35nm)であっても、製品化されユーザーが使う時点ではナノ粒子もくっついて多少大きくなっており(100nm~200nm、細胞間の隙間は40~60nm)、細胞間を通り抜けないという研究結果もあります。さらに、日焼け止めに使われるナノ粒子が明らかな原因となっている健康被害も起きてはいないのですが、ナノ粒子の安全が100%保障されているわけではないのも事実。
気になるようなら「ナノ粒子不使用」の日焼け止めを使いましょう。ちゃんとありますよ!
ナノ粒子不使用の日焼け止め
赤ちゃん向けの日焼け止めではないのですが、ナノ粒子を使っていない日焼け止めをピックアップしました。ナノ粒子が主にケミカルタイプに使われる技術ということで、ミネラルコスメブランドは、ナノ粒子へ配慮しているようですね。
エトヴォス(etvos)ミネラルUVボディリキッド
全製品、ナノ粒子不使用。日焼け止めはリキッドタイプとパウダータイプがありますが、どちらとも紫外線吸収剤、シリコン、ナノ粒子は無配合。敏感肌の人はもちろん、赤ちゃんにも使える日焼け止めですが、ちょっと値が張るのが玉に瑕。
オンリーミネラル 薬用美白SPF50ファンデーション
パウダーだけでなく、リキッドの日焼け止めもノンケミカル処方。オンリーミネラルはファンデーションもナノ粒子不使用です。
ヴァントルテ SPF50+PA++++ ミネラルUVクリーム
ミネラルの力で紫外線だけでなく環境ストレスからも肌を守る、ノンケミカル・ナノ粒子不使用の日焼け止め。ヴァントルテはファンデーションもナノ粒子不使用。
まとめ
今回はわざわざ「ノンケミカル」と「ナノ粒子不使用」で別々にピックアップしたのですが、ナノ粒子がケミカル日焼け止めに使われる技術だと考えれば、ナノ粒子不使用=ノンケミカル、ということが言えるでしょうか。そうなるとオーガニックコスメやミネラルコスメのブランドが得意分野なのかなーと思います。
