時間とコストを節約したい保護者の支持が高い通信教育。教育業界のの巨人とえば、進研ゼミですよね。すったもんだあったものの、小学生講座の会員数は2016年4月時点で115万人、2016年度の売上は554億円と業界でもぶっちぎりトップ。
この進研ゼミには、タブレットを使ったデジタル学習コースがあります。以前の記事でもご紹介している通り、小中学生講座にはオリジナルタブレットを使ったチャレンジタッチとiPadを使ったハイブリッドスタイルが用意されていました。
が、2018年度からはiPadを使用したコースが消えてしまったのです。
なぜなのでしょう?
目次
2017年までは存在していた「ハイブリッドスタイル」

今でも検索すれば、進研ゼミのハイブリッドコースの口コミや感想が出てきます。
進研ゼミ小中学生講座には
オリジナルスタイル | テキストと鉛筆で勉強する従来のスタイル |
チャレンジタッチ | 進研ゼミオリジナルパッドで勉強するスタイル |
ハイブリッドスタイル | iPadとテキストで学習 |
この3つのコースがありました。
2017年時点で、小中学生向け通信教育のうち、専用端末を用意していたのは進研ゼミとスマイルゼミの2社のみ。Z会はiPad専用のアプリを使用、スタディサプリもアプリですがiOSだけでなくアンドロイドにも対応、デキタスはオンライン講座なのでネット接続できればデバイスは選ばないというスタイルなので、iPadでも受講できます。
アップル自体、お勉強用iPadの提供を始めるくらいですから、勉強とiPadはベストマッチな組み合わせ。日本はアップル製品がよく普及していますしねー。
とにもかくにも、そんな流れが生まれてきているため、デジタル学習のツールとしてiPadが広まっていくのではないかと私は踏んでいました。
が。
小学講座<ハイブリッドスタイル>の入会お申し込み受付は、2017年度12月号で終了しました。小学講座<ハイブリッド>は、2018年度3月号(2019年2月下旬にお届け)で終了いたします。2019年度4月号以降引き続きご受講いただくことはできません。また2017年12月より<オリジナル><チャレンジタッチ>をご受講中のかたが、小学講座<ハイブリッド>へ変更することはできません。ご了承ください。
https://faq.benesse.co.jp/faq/show/44340?category_id=4451&site_domain=faq
まさかの進研ゼミiPad撤退です。
進研ゼミがiPadを辞めた理由1 端末代が高い

オリジナルとチャレンジタッチは同じ金額ですが、ハイブリッドスタイルはちょっと高めでした。
ご存知の通り、iPadはいいお値段です。自分で用意するなら安くても4万円くらいはしますね。進研ゼミでレンタルすることもできましたが、月額2480円だったので1年以上継続するなら買った方が安くなります。
専用タブレットは6か月以上の使用で無料になるので、進研ゼミの中でもハイブリッドスタイルには割高感がありました。
ご存知の通り、通信教育に求めているのは時間とコストの節約、お手ごろ感なわけです。中学生講座ともなると、12ヵ月払いにしても端末レンタル代を含めたら、1ヶ月の費用は約9,000円。これじゃあ近所の塾に行かせた方がよっぽど安いし面倒見てくれるわ! という展開になりますよねー。
進研ゼミがiPadを辞めた理由2 子どもが遊んでしまう

専用端末は配信されたコンテンツしか見ることができませんが、ハイブリッドスタイルで使うiPadは普通のタブレットとして使用が可能。
そのため子どもがアプリやサイトで遊んでしまう、という声が保護者から上がってきたのもiPad撤退の理由だそうです。
ちなみにiPadもiPhoneも親による使用制限をかけることができます。
基本中の基本が機能制限をかけること。小学生なら「Safari」「iTunes Store」「インストール」「Appの削除」「App内での購入」はオフにおしておくのがおすすめ。「パスワードを要求」を「15分」から「即時」に変更、「Webサイト」の設定は「指定したWebサイトのみ」くらいまで強めにかけて不適切なサイトへの接続をカット。「アカウント」は「変更を許可しない」に設定。
子どもが大好きなYouTube試聴に関しては、端末から制限はかけられません。
というわけで、機能制限パスコードは子どもに知られてはいけません。
中学生講座からiPadが消えた理由は、高校受験のため?

小学生講座にチャレンジタッチが登場したのは2014年ですが、中学生講座にハイブリッドスタイルが登場したのは2016年。当時の会員39万人のうち、ハイブリッドスタイルを選んだのは約3万人、残り36万人はオリジナルスタイルを選択しました。
これはハイブリッドスタイルが割高であったこともありますが、高校受験は紙と鉛筆で解答することも大きく影響していると思われます。
案外定着率が悪い上に「コスパよくない」「子どもが遊ぶ」などの意見が多かったことから、iPadを使ったスタイルはわずか2年で消えていくことになりました。
そのかわり、小学生講座で活躍している専用端末を中学講座にも投入。これによって「割高」「子どもが遊ぶ」という問題をクリア。2018年から中学生講座はオリジナルスタイルと専用タブレットスタイルの2本立てになった、というわけです。もちろんタブレットコースでもペーパーテスト対策はガッツリありますので、筆記問題がないというわけではありません。
あ、でも専用端末を使うようになっても、名称は「ハイブリッドスタイル」のままです。
まとめ
進研ゼミからiPadが消えていったのは、iPadが高性能すぎて進研ゼミには早かったというのが結論でしょうか。
で、進研ゼミを受講する場合「チャレンジタッチとオリジナル、どっちがええのん?」という疑問が残ることになりますが…。
ここからは個人的な意見ですが、学校の授業についていけない、授業レベルの学力を身に付けたいという場合はチャレンジタッチがおすすめです。動画での説明はテキストの説明を読むより頭に入りやすいから。
より高い学力、応用力、そういうものを求めているならオリジナルスタイル。
通信講座で中学受験しようと思うなら、進研ゼミではなくZ会のほうが向いている気がします。島とか山とか周囲に塾がなくても、こういうものを使えば学力アップできるよ!