中学受験を検討したものの、「うわあ塾代ってすごい…」とひるんだりしませんか? 私は正直ひるみました。でも偏差値40~50台のいわゆる中堅校でも、対策なしに合格しないのが中学受験。高望みはしないから、市販の問題集などでお安く対策をしたい……。
今回は中学受験を塾なしで乗り切った経験をリサーチしてみました。
目次
Z会中学受験コースを使って合格!

Z会の小学生コースはコースもオプションも多彩なので、自分に合った教材を選べるのがメリット。小学生コースの本科には「テキストコース」「タブレットコース」「中学受験コース」の3つがあり、専科として「英語」「作文」「公立一貫校」などがあります。本科生でなくても、専科を受講することは可能。また1か月だけやってみるということもできるのが特徴。進研ゼミは最短2か月です。
テキスト、タブレットコースはともに内容が教科書準拠なのですが、中学受験コースだけは進学塾と同等のカリキュラムを組んでいるため、テキスト・タブレットとは内容がまったく違います。
中学受験コースの勉強サイクルってどんな感じ?
Z会の小学生コースは紙の教材、タブレットコースはタブレット配信教材ですが、中学受験コースは、紙の教材と動画の講座を組み合わせたものになっています。
まず、前月末までに当月の教材(テキスト・問題集・添削問題)が届きます。タブレットはiPadしか使えませんが、なかなか優秀で習い事や行事など予定をあらかじめ入れておくことと、自動的にスケジュールを組んでくれます。遅れたりしても大丈夫。自分で調整できます。
動画を見ながらテキストを完成させ、問題を解く。反復問題はタブレットで行い、合格レベルに届くまで問題が出続けるという丁寧さ。添削問題は、国語・算数は月2回、理科・社会は月に1回。1か月の成績を見ながら担当の指導者が課題を見つけ、次はどうすべきかアドバイスをくれます。また、4月と10月には到達度テストも実施。
真面目に取り組めば、1教科1日あたり1時間程度の学習が必要になる内容です。
Z会だけで合格した人はいるの?
Z会の口コミサイトや「Z会だけで合格」などと検索してみれば、「合格したよ!」という体験談はわんさか出てきますよね。でもZ会の息がかかった(!?)サイトの口コミはどうにも信用ならないという人のために、Yahoo!知恵袋や発言小町から、体験談を見つけました。このあたりなら息はかかってないはず!
うちの場合は、勉強だけというのは可哀想だと思い、同じくスポーツも最後までやりつつ、Z会の添削のみで(進学塾がない地域だというのもありますが)頑張りました。結局志望校に合格し、1年余りたった今でも予想外に頑張っていけているのでよかったのかなぁと思っています
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1489060659
地方都市なので首都圏に比べるとレベルは低いのですが、地域の一番偏差値の高い学校(偏差値60超)に合格しました。
我が子が勉強を始めたのは小5からです。
(夫が教えていました)
小6からはZ会以外に大手塾の模試のみ受けていました。
最初は模試の洗礼を受けていましたが、だんだん成績も上がり秋頃には合格圏になっていましたよ。https://komachi.yomiuri.co.jp/t/2014/0918/680605.htm?o=0&p=2
この地方では、中学受験突破を目指す子ども達が年末年始そっちのけで塾に集まり、鉢巻をしめて、合格に向けて勉強する姿がニュースで取り上げられたりします。
常々、ああいうのやりたくない、でも中学ではガッツリ勉強したい、と言っていた上の子は、通信教育のみで中学受験しました。
受験前日まで学校も休まずに行きましたが、この地方では難関と言われる学校に合格しましたよ。
最後の意見はZ会かどうかはっきり書かれていないんですけど、通信教育のみで合格したという体験談ということでご紹介しました。
Z会だけで合格するには、コツがいる
Z会は通信教育であるため、時間にゆとりが生まれる一方でモチベーションの維持はかなり難しいです。また、やっぱりZ会に投げっぱなしというわけにもいかず、わからないところが生まれたり、子どもが悩み始めたりしたら、親のフォローが必要です。
Z会では担当のアドバイザーがつきますが、教材越しなので、我が子が悩んでいる様子ややる気をなくしている様子まではチェックできません。何か変だな、と思って、向こうから声をかけてくることはないです。
質問やモチベアップのアドバイスについては、くれますよ。ただし「こちらから聞く必要がある」のです。通信教育はお手頃だけど、こちらから動かないといけないのがデメリット。機能をばりばり使いこなすスキルも必要ですね。
Z会だけで合格するには、
- こつこつ勉強できる
- 本人に「合格したい」「成績を上げたい」といったやる気がある
- わからない問題があった時ややる気が失せた時に親がフォローできる
- 狙いは偏差値55あたりまでの中堅校(でもZ会中学受験コースは難関校用の内容なので、難関校も目指せます)
- Z会のサービス・機能を熟知し、使いこなせる
こうした条件をクリアしていることが必要かなと思います。知恵袋・小町・インターエデュなどを見ている限り、首都圏及び難関校はその学校特有の合格ノウハウが必要になるので塾通い推奨、という意見が多かったですし、個人的にも同意見です。6年生だけでも通ったほうがいいかな?
市販の参考書・問題集を使って合格!

Z会の中学受験コースは、塾に行くのに比べたら安いけど、それでも4教科とると1か月あたりの受講料は2万円くらいになります。オプションとして専科をつければさらに上乗せ。
リーズナブルに受験をするなら、もう市販の参考書や問題集を使うのが一番安上がりでしょ!
でもそんなことは可能なのでしょうか?
おすすめは四谷大塚の予習シリーズ
塾に行かないで中学受験に合格した、または合格したいのでアドバイスください、という意見を検索すると出てくるのが「四谷大塚の予習シリーズ」です。
四谷大塚は首都圏にある中受専門の進学塾。この塾で使っているテキストは内容に定評があり、早稲田アカデミーなど他の進学塾で使用されることもあるほど。解説が詳しいので、家庭での中学受験対策に向いているのです。
ただ、予習シリーズを与えただけで子どもがモリモリ勉強するわけではなく、基本的に誰かが先生となって教える必要があります。
四谷大塚では、1単元1週間で進んでいきます。1週間のうちにテキストの内容を理解し問題を繰り返し、1週間後の週テストで定着度をはかる、というのが四谷大塚のサイクル。
予習シリーズは塾生でなくても通信販売を通して購入が可能です(塾での直接販売は行っていません)。ちなみに送料は2019年3月に改訂されて800円+税になりました。
色々と試してみましたが、安定度と申しますか、中学受験で主軸の参考書に出来るのはやはり四谷大塚の予習シリーズです。
定番と言えるのではないでしょうか。https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1371543443
ちなみに四谷大塚の予習シリーズは、テキストと問題集があります。問題集は基本・演習・応用の3段階。テキストにも確認問題は載っていますが、知識の定着を図るなら副教材に基本を、難関狙いなら応用を選びましょう。各単元ごとにテキスト、問題集ともに5、6ページ程度のボリュームがあります。
中堅狙いなら、テキストと演習を完璧にしておけば合格圏内に食い込めるでしょう。6年生になったら模試や最寄り塾の活用を考えてみても。
四谷大塚は首都圏で展開する進学塾ですが、地方民にも朗報。この予習シリーズを使って動画で講義を受ける通信教育コースがあります。
低学年なら「最レベ」「トップクラス」「スーパーエリート」が定番
低学年のうちに、中受対策に必要な学力を高めておきたい! という場合は、奨学社の「ハイレベ」「最レべ」がおすすめ。難易度はハイレベ・最レべの順です。
文理のスーパーエリートはじっくり考える問題が多いので、「あれこれ考える」という経験を積ませてあげることができます。
高学年なら「プラスワン」「ウイニングステップ」
これだけで合格できるというものではないのですが、中受スレでよく見かけるのがこの2つ。
東京出版の「プラスワン」は算数の強化に最適。「中学への数学」もよく見かける問題集です。
みくに出版の「ウイニングステップ」は4教科そろっている問題集。
国語の読解力を高めるには?
ずばり新聞を読みましょう。Webサイトのニュースではなく新聞紙です。なぜって、受験問題は紙に印刷された文章を読むので、縦書きに慣れておいたほうがいいから。
朝日新聞×進研ゼミの調査によると、月1冊でも読書をしている人とまったく読まない人との語彙力は一目瞭然。また、新聞・実用書などノンフィクションをよく読む人は、フィクションを好む人よりも時事用語の語彙力が高いことが判明しています。
中学受験の社会では時事問題も出されます。1日10分でいいので、新聞を読む習慣を。ひとつの記事に対する3行要約や感想をノートにつけていれば、作文対策にもなります。
参考:http://www.goi-dokkai.jp/research/pdf/research160915_02.pdf
市販の問題集を使う場合は、1教科1冊ではなく複数の問題集を組み合わせるのが定石。さらに、志望校の傾向に合わせた問題を扱っている問題集を親が選んであげなければなりません。模試も受けさせ、課題を見つけて修正するのも親の役割。中学受験は親子二人三脚の受験だと言いますが、塾を使わないで対策をしようとなるとまさに二人三脚と言えますね。
スタディサプリで中学受験!

スタディサプリはリクルートが提供する講義動画配信サービス。小4から大学受験までの講義が実に4万本以上。小学生の応用は受験に対応した内容です。が、四谷大塚やZ会中学受験コースに比べて単元が絞られていること、基礎講座はテキスト販売があるのに応用講座はテキスト販売がなく自分で印刷する必要があること…など、スタディサプリだけで受験対策をするのは心もとない印象です。
でも、スタディサプリだけで合格した人はちゃんといます。
理科はもともと好きだったのもありますが、これだけで首都模試偏差値62、理科検定3級(中学卒業程度)になりました(40台から)。
国語は絶望的な状況でしたが、色々試した結果、スタディサプリが一番効果があり、そして他の教科より時間かからずできるようになり、一番効率良かったとおもいます。
国語が嫌いな息子が好きになるほど。
ただ本当に苦手だったので、得意な子には物足りないかもしれません。算数は難問も結構あり、今思えばうちの子が目指しているレベルには必要ないものもあり、基本的なスタディサプリ
問題+四谷大塚四課のまとめで良かったかなと思います。うちは社会は受検科目になかったので利用していません。
我が家は首都模試62の学校が本命で、結果56の学校に特待生で合格しました。
偏差値55くらいまででしたら、スタディサプリ+過去問+4課のまとめで、十分だと思いました。
https://women.benesse.ne.jp/forum/zboca040?CONTENTS_ID=01040218&MESSAGE_ID=005329&SEARCH=no
スタディサプリの効果的な使い方は?
スタディサプリは講義動画配信サービスであり、Z会のような添削や指導はありません。スタディサプリ見といてね、だけで放り出したら絶対やりません。
スタディサプリの応用コースは、他の進学塾に比べ内容を絞っているので、スタディサプリだけでの対策は心もとないです。プラスで市販の問題集や過去問を利用して問題数をこなすことが必要。また志望校の傾向と対策や、模試を受けさせて課題を見つけるという作業は親がしなくてはなりませんが、中堅ならスタディサプリと問題集の併用でも合格は可能でしょう。
併用のケースですが、我が家の場合は、スタディサプリの該当講座を見て、内容をなんとなーく把握してから四谷大塚の予習シリーズの新単元に入ります。私が説明するよりカリスマ講師の説明のほうがわかりやすいし。ただスタディサプリの応用講座はとってもスピーディーなので、「え? え?」と置いてけぼりにはなりがち。
とはいえ、スタディサプリのユーザーは該当学年だけでなく、小4年から大学受験まですべての動画見放題だから、前の学年に戻ったり、先取り学習ができたりするのは魅力です。きょうだいで使うこともできるし、価格も1か月980円とリーズナブル。
スタディサプリのテキストをコンビニで印刷しよう

スタディサプリのテキストはほとんどが販売されているのですが、小学生応用のテキストは冊子として販売されていません。でもデータはダウンロードできるので、必要な部分は自分で印刷しましょう。
が、データそのものはテキスト・問題集+解答で300ページ越え。自宅印刷なら必要な部分だけ印刷すればいい話ですが、「テキストなので、冊子にしたい…!」という、よくわからない衝動にかられた私はコンビニの冊子印刷で印刷してみることにしました。
そのためには「必要な部分だけをデータとして取り出す」ことが必要です。パソコンにPDFを編集できるソフトがあればいいんですけど、そんなもの持ってないよという人は、
https://www.ilovepdf.com/ja/split_pdf
こちらに元データを全部アップし、必要な部分だけを指定して分割、ダウンロードすればOKです。
冊子印刷は4の倍数でなければならないため、4の倍数にならないと白紙が生まれます。そしてこの部分もコピー代が取られる。
安くあげるなら「A3にまとめて2枚印刷」がおすすめです。A3の1枚に2ページ分印刷できるので、印刷代は半分で済みます。白紙の部分の印刷代は発生しません。
ちなみに問題と解答をまとめて印刷すると、答え合わせにページをぺらぺらしないといけないので、問題だけ印刷し、答えはディスプレイで見たほうが楽です。印刷代も浮きますし。
まとめ
塾に行かないで中学受験を成功させた人の主な方法についてピックアップしてみました。本人によるところも大きいのですが、中堅校までなら家庭学習だけでも対応できる……というのが、受験を経験した人の共通認識。ただ偏差値60を超す難関校になってくると、家庭学習だけでは心もとないので塾のほうがいい、という意見が多くなってきます。
また親のサポートも必須なので、共働きで時間が取れないという人は塾に通わせたほうがいいかも。
志望校対策のノウハウだけでなく、「仲間ができる」というのも塾ならではのメリット。特に難関校に入ると、塾別にグループができることも珍しくないようです。