読書感想文にも! 低学年の子におすすめの児童書3選




小学生になると図書室でたくさんの本を目にすることも多く、国語の授業でも文章を読む機会が増えてきます。小さな頃から慣れ親しんだ絵本を自分で読めるようになったら、次は少しステップアップして長めの児童書にも挑戦させてあげましょう。
今回は低学年の子が自分で読むのにおすすめの児童書をご紹介します。読書感想文にもおすすめですです。

ゾロリたちの長い長い冒険がここから始まる

「かいけつゾロリ(1)かいけつゾロリのドラゴンたいじ」
作:原ゆたか
出版:ポプラ社

ひとり修行の旅にでたゾロリが、旅先で出会ったお姫さまの花婿に立候補することに。ゾロリは花婿になるためにある計画を立てるのですが…。

言わずと知れた「かいけつゾロリシリーズ」の1巻です。かいけつゾロリといえば、子供たちが絵本から児童書に移る頃に必ず通るシリーズではないでしょうか。私の娘も好きで学校の図書室で見つけたら借りてくるのですが、貸出し中が多くなかなか借りられないようです。

ストーリーはもちろん面白いのですが、途中でゾロリが読み手側に話しかけてきたりダジャレやなぞなぞが出てきたりと、一緒に話したり笑ったりしながら冒険をしているような気持ちでさくさくと読みすすめられます。イラストも多く普段からあまり読書をしない子でも読みやすいので読書の入門にオススメです。その後のお話しにも出てくるゾロリの弟子のイノシシ(イシシとノシシ)との出会いも描かれています。シリーズはたくさんあるので(2018年7月に63巻が発売)どれにしようか迷ったらまずはここから読んでみましょう。

2018年7月に発売された63巻は、30年の時を経てこの1巻とつながるストーリーとなっていますよ。

一人もいいけど一緒だともっと楽しい、友達っていいな

「ふたりはともだち」
作:アーノルド・ローベル
訳:三木 卓
発行:文化出版局

春が来たのにぐっすり眠って起きださないがまくん。一人ではさみしいかえるくんはどうにかしてがまくんを起こそうをします(はるがきた)。
がまくんとかえるくんのシリーズの最初のお話しです。原作は1970年に発表され日本でも1972年に発売されており、40年以上前の作品ですが今でも愛されています。このなかの「おてがみ」というお話しは小学校の教科書にも採用されているので知っている方も多いのではないでしょうか。

心配性で少しワガママながまくんと、元気で明るく活発なかえるくん。性格は全く違うけど、だからこそお互いのことを思い合って仲良しでいられる2人の日常をユーモアたっぷりに描く短編集です。ものすごく感動したりびっくりすることがおきたりはしませんが、ふたりはいつも一緒。友情とか仲良しとかを強調することもなく、でもやっぱりいつも一緒にいるがまくんとかえるくんはとっても仲良しな友達なのです。一人もいいけど一緒だともっと楽しい、友達って素敵だなと思える作品。子供たちも何か感じてくれると嬉しいです。

冒頭に紹介したのは1話目の「はるがきた」。なんでもない日常だけどふたりのやり取りに思わず笑ってしまうお話しです。1冊に渡って長いストーリーではなく5話の短編それぞれが独立したお話しなので、1話ずつゆっくり読んでもいいですね。

ワクワクドキドキの展開が楽しい冒険物語

「ガラスのうま」
作:征矢清
絵:林明子
出版:偕成社

主人公のすぐりは元気いっぱいの男の子。ある日いすによじのぼり、飾り棚にいつも飾ってあるガラスの馬に手をのばしたところ馬が床に落ちてしまい、ガラスの前足が1本折れてしまいます。テープで止めてみたけれど馬はそのまま逃げだしていってしまいます。慌てて追いかけたすぐりが足を踏み入れたのはガラスのいきものたちの世界でした…。

しっかりと長いお話しも読めるようになってきたらこちらの本はいかがでしょうか。大切なガラスの馬をうっかり壊してしまった男の子すぐりが不思議な世界に足を踏み入れ、いろいろな試練を乗り越えながら逃げ出した馬を追って進んでいく冒険と成長の物語です。小さな子にはわからない部分もあるかもしれませんが、まずはドキドキハラハラのストーリーを純粋に楽しんでほしいと思います。ページ数はありますが続きが気になる展開なので、飽きることなく読み進められますよ。大人も楽しめるストーリーなのでぜひ一緒に読んでみてください。

林明子さんの透明感のある挿絵が、優しく幻想的な世界を想像させてくれます。夏休みの読書感想文にもおすすめの一冊です。

まとめ

低学年の子が自分で読むのにオススメの児童書を3冊をご紹介しました。
文字中心の本を自分で読むのが得意ではない子には、まずは読み聞かせてあげてみてください。ストーリーが気にいれば次は自分で読んでみようと手をのばしてくれるはず。まずは本の楽しさを知ってくれるといいですね。
子供たちにはたくさんの本に出会っていろいろな世界を知ってほしいと願います。

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2019年6月18日

 

執筆:まあち。

市内の小学校で図書ボランティアとして活動中