子供は絵本の読み聞かせが大好き。ですが、いざ読み聞かせをしようと思っても図書館にも本屋さんにも絵本はたくさん溢れていて、どの絵本を選んだらいいのか悩みませんか?
今回は、小学校で読み聞かせボランティアをしている筆者が選んだ、園児から低学年向けの読み聞かせにおすすめの絵本をご紹介します。
可愛く元気で好奇心旺盛なねこたちのお話し
「11ぴきのねこ」
作:馬場のぼる
発行:こぐま社
主役は元気で好奇心旺盛な「とらねこたいしょう」と10ぴきのねこたち。いつもお腹を空かせている11ぴきのねこたちは「ひげのながいじいさんねこ」に教わった「かいぶつみたいなおおきなさかな」がいる湖に向かいます。みんなで協力して大きな魚を捕まえようと画策するのですが…。
ロングセラーのシリーズ1作目です。ストーリーはいたってシンプルでわかりやすい展開。「とらねこたいしょう」が率いるねこたちが団結して頑張ったり時々怠けたりしながら、みんなで一緒に楽しく過ごしている姿が描かれています。気ままでユーモラスなねこたちのイラストはシンプルだけど伸び伸びとしていて可愛らしいです。ラストのオチのページは特に説明も文章もつかず見開きのイラストだけで表現されているのですが、そのユーモラスなイラストが子供たちの想像力を刺激してくれるようで、読み聞かせているといつも笑いがおきます。小さな幼児や低学年はもちろん、もう少し大きな子供たちにもおすすめの読み聞かせ定番の絵本です。
ありえないけどワクワクドキドキな子供心をくすぐる一冊
「わゴムはどのくらいのびるかしら?」
作:マイク・サーラー
絵:ジェリー・ジョイナー
訳:岸田恵理子
出版:ほるぷ出版
ある日、わゴムがどのくらいのびるか試してみようと思ったぼうやは、ベッドに引っ掛けたわゴムの端を握ったまま家の外へと出ていき…。
思いついた疑問をすぐに試してみようとするのは、子供ならではの発想でしょうか。ベッドに引っ掛けた輪ゴムの端を握った男の子が、自転車にバスに列車にといろんな乗り物に乗ってドンドン進んでいき、気付けば想像をはるかに超えた大きなスケールの旅へと発展していきます。大人の目線だとそんなに伸びるなんてありえないと思ってしまうけれど、もし本当にこんな輪ゴムがあったらどこまで伸びるのかやってみたくなるのが子供たち。途中でゴムが切れちゃうかも? そんなとこまで行く? 本当に? と驚きドキドキワクワクしながらも、ぼうやと一緒に歩い歩く想像をしながら聞いてくれるとより楽しいですね。
わかりやすく見やすい大きなイラストに短い文章が添えられている構成で、男の子が小さく背景が大きく描かれているので、そのスケールの大きさは小さな園児にもわかりやすいでしょう。ありえない想像の世界と現実を繋ぐ、ユーモアあふれる物語は子供心をくすぐる一冊です。
どれがいいのか話しながらワイワイと楽しむ絵本
「ねえ、どれがいい?」(新訳版)
作:ジョン・バーニンガム
訳:松川真弓
発行:評論社
読み聞かせというと、大人が読む絵本を子供たちがじっと聞いているのを思い浮かべますが、この絵本はそうはいきません。ページを開くたびにとんでもない選択が並び「ねぇ、どれがいい?」と聞き手に問いかけます。楽しい選択もあればどれもイヤだ! と思うような究極の選択も。
子供たちにどれがいいかを選んでもらったりその理由を聞いたりしながら一緒に読み進めていく参加型の絵本です。おおぜいであれこれと話しながらも楽しいですが、親子でじっくりと考えて話しながら読み進めるのも楽しいですよ。じっと黙って読み聞かせを聞くのが苦手な子にもおすすめです。とんでもない選択肢なのに、ほのぼのと優しいイラストが添えられていて和みます。
1983年に発売された絵本ですが、2010年に発売された新訳版は文字がひらがなが増え全体の言い回しや問いかけも見直されていて、より楽しく読めるようになっています。読み聞かせという雰囲気ではないかもしれませんが、たまにはこんな絵本で賑やかにコミュニケーションを取るのも面白いですね。
まとめ
園児から低学年向けの読み聞かせにおすすめの絵本をご紹介しました。
ご紹介した3冊は私自身も読み聞かせに使用している絵本です。
その子の好みに合ったものや興味を持つ絵本を選ぶのはもちろんですが、読み手側のママやパパが楽しいと思える絵本を選ぶのもコツの一つ。大人が楽しそうに読んでいるとそれだけで子供も楽しくなれます。絵本を読むことで親子の絆が深まるきっかけになれば嬉しいです。
執筆:まあち。
市内の小学校で図書ボランティアとして活動中