秋になると、ベランダに吊るされた干し柿を見かけることはありませんか? 柿は生のままだと保存がききませんが、干すと長持ちする上に甘みも増します。冷凍保存もできるし、食物繊維が多いので便秘解消にもつながる頼もしい果実なのです。
柿は東アジアの固有種で、日本では古代から食べられていた果実です。干し柿は、柿を長持ちさせおいしく食べるために編み出された先人の知恵。難しそうに見えますが、思ったより簡単に作ることができます。今回はベランダや室内で柿を作る方法をご紹介しましょう。
外干しで作る場合の作り方と必要な時間
- 柿を準備する
渋柿を準備します。熟している柿は破れてしまうので避けてください。 - 皮をむいて消毒をする
ヘタの部分を残して包丁やピューラーで皮だけむきます。むき終わった柿を熱湯の中に10秒付けて、熱湯消毒をします。熱湯消毒後の柿は、水分が残らないように清潔な布で拭いてください。 - 柿をつるす
ヘタの木の部分を紐にかけ、柿どうしが重ならないように吊るしてください。
紐が難しい場合は、物干し用の洗濯バサミに挟んで干しても大丈夫です。
熱湯消毒後の柿に触れるとカビの原因になるため、軍手やナイロン手袋をはめて作業しましょう。 - 柿を外に干す
日当たりがよく雨が当たらない場所で、柿を干します。 風が通る場所に干すことでカビを防ぐことができます。 - 柿を揉んで甘味をアップ
1週間ほどすると、柿の外側が硬くなるので、軍手やナイロン手袋で、柿を揉みます。
揉むことで甘みが増します。 2~3日に一度揉んでいくと、2週間程で、干し柿の完成です。強くもむと柿が破れてしまうので、優しく揉んでください。
住宅地や集合住宅で外干しは難しいこともあるので、室内で作る場合のやり方をご紹介します!
干し柿を室内で作るにはどうすればいい?
室内で干し柿を作る場合には、扇風機が必要です。
基本的に外干しで作る工程と同じですが、室内ではカビが生えやすいので日当たりと風通しのよい場所に干して、カビを防ぎましょう。干して3日間は、水分が多くでるので、扇風機を24時間回してください。
日が当たる場所で干せない場合は、除湿器などを回して湿度を低くし、扇風機が柿に当たるようにしましょう。
外干しと同じように2週間で、干し柿が完成します。
完成まで風が通らない場所で作る場合、24時間扇風機を回してください。
干し柿にカビが! カビをはやさない方法は?
干し柿にカビが生えた場合は、35度の焼酎で、カビの部分をペーパータオルなどで拭いてください。拭くことでカビを取ることができます。
カビには、白カビや黒カビ、青カビがあります。
拭いても取れにくい場合は、清潔な綿棒に焼酎をつけて擦りカビを除去してください。
干し柿を作るときにカビをはやさないようにするには、熱湯消毒後の柿に焼酎をスプレーして干します。
干し柿に白い粉がでた! なぜ粉がでるのか?
干し柿に出た白い粉は、柿の糖分で、乾燥後に出てきます。
乾燥中の柿に部分的にできた白い粉はカビの可能性が高いため、アルコールでカビを除去してください。
干し柿に白い粉をつけるには、2週間目で清潔な歯ブラシで干し柿の表面に傷をつけます。
1週間後にラップか新聞紙で干し柿を巻き冷蔵庫に入れると、白い粉が表面についてきます。
まとめ
干し柿の白い粉が出るほど甘みがますので、完成してすぐに食べずに、冷蔵庫で白い粉を待ってみては、どうですか?
扇風機の稼働は、1時間約0.9円ぐらいなので、電気代はそれほど気にしなくても大丈夫です。
購入するより安くおいしく、簡単に作ることができます。柿をたくさんもらったら、ぜひ挑戦してみてください。
執筆:emika