「あーこれやんなきゃなー。でもやる気起きなーい…」
大人でも子どもでも、あるあるですね。
大人は、まあそれでも、やらないことで自分がこうむるであろう不利益やリスクがわかっているので、なんとかつじつまを合わせたり、間に合わない時の言い訳を考えたり(?)もできますが、小学生の場合、勉強をやらないことでこうむる不利益はすぐに現れません。また遅れもある程度取り戻せるという「まだ大丈夫」という安心感が、逆にストッパーになっている側面があります。
が、積もり積もった「ま、いっか」は早い子なら小学校高学年から現れ始めます。
気が付いたらすぐ背後にぴったりくっついて「うふふ、もう逃げられない♡」と迫っている感じです。
そこで、やる気スイッチオン方法を脳科学の面から探してみました。
好きな教科から始めると気分が乗ってくる
うちの息子が自力で編み出し、実践している方法がこれ。
本人が言うには「理科とか社会はやってて楽しい。理科か社会をやると気分が乗ってくるので、あんまり好きじゃない漢ドや計ドをやる気になる」とのこと。
勉強は人間が社会で生活していく上で必要ではありますが、生命維持に必要なものではありません。
脳は体の中で最もエネルギーを必要とする器官である上に勉強は脳に大きな負荷をかけるので、生命維持の観点から「勉強=苦痛」と脳がインプット。
多くの人が勉強を苦痛に感じるのは当然のことなのです(ごくまれに苦痛でない人もいますが)。
「いや待て、遊んだり何かを作ったりという体験からの学びは嫌いじゃない」と思った方もいらっしゃるでしょう。夏のキャンプで体験するような魚釣りのコツや飯盒を使ったお米の炊き方など、「生きていくために必要なこと」の勉強は人間は苦痛ではないのです。
こうした遊び要素がない勉強が嫌いなのです。人間はそういうふうにできているんです(ごくまれに以下略)。
楽しいことはいくらでもできる。楽しくないことはできるだけやりたくない。
しかし楽しくないこともやらなければならない。ではどうするか?
楽しいことから始めればいいのです。
楽しいこと・好きなことをさせてもらえると、脳は喜んで細胞が活性化するため、知識が定着しやすくなります。とりあえず好きな教科に取り組んで脳を「ああ楽しい! 今ならもうちょっと勉強してもいいかな」という気持ちにさせてあげるとやる気スイッチオン! につながります。
息子の「好きな教科からやる」は、脳科学的には正しいわけですね。なるほどね。
イヤホンで音楽を聴きながらやると集中できる…って、本当?
もうひとつ、うちの息子がやっている方法として「イヤホンで音楽を聴きながら勉強する」というものがあります。
これは私も同感で、イヤホンをすることで周囲の雑音が一切消えるので目の前のことに集中しやすくなります。私の場合、たとえ他の人がいない部屋であっても、家族が動き回る階下の生活音、窓の外の自動車の音、遠くから聞こえるサイレンの音、そういったもので集中力はブツ切りにされます。
そうした外の音をシャットアウトしてくれるので、イヤホンで音楽は集中力キープに効果的です。
単なる耳栓でもいいじゃん? と思われるかもしれませんが、耳栓だと今度は体内の音がよく聞こえるのでダメです。ゴリゴリとかザーザーとか、なんの音だろう?
また音楽を聴くと脳の中の側坐核と呼ばれる部分が活性化し、ドーパミンというホルモンが分泌されます。ドーパミンはやる気の源。
好きな音楽を聴くとやる気スイッチが起こりやすくなり、イヤホンをすると外の音が気にならなくなるので集中力が持続できる。
ですが、実は新しいことを覚える時に音楽は邪魔者でもあります。
2010年ウェールズ大学で暗記力の実験が行われました。被験者の一方は音楽あり、一方は音楽なしで特定の順番に並んだ一連の音を覚えてもらったところ、音楽ありのグループは音楽なしに比べてスコアが悪かったのです。
しかし、単純作業を繰り返す場合は音楽がかかっているほうが効率が上がることもわかっています。
- 好きな音楽はやる気を出す
- 音楽を聴きながら新しいことを覚えるのは難しい
つまり遮音性の高いイヤホンをして、気分が乗ってくるまでの間だけ音楽をかけているのがベストってことでしょうか? 5分程度の曲を選んでおけばいいかもしれませんね。
どうしてもやる気が出ない時は「5分だけ」「1つだけ」
どうしてもやる気が出ずだらけてしまう時は「5分だけやってみよう」「これ1つだけやろう」と声かけしてみましょう。
千里の道も一歩から、いわゆるスモールステップというやつです。
宿題全部、課題全部やろうと思うと気が滅入るけど、5分程度、1問程度なら、たいしたことないでしょ?
でもやってみると意外にスイスイできたりして、「もうちょっとやってもいいかな」という気持ちになれるものです。
今すぐスイッチを入れるには「音読」
今すぐやる気スイッチを入れたいなら音読が効果的です。
音読は「目で見た情報を声に出し、耳から情報が入ってくる」というように、脳に複数の刺激を与える作業。脳の活性化に効果的なのです。
コツは5分で終わらせることと、大きくて低めの声で読むこと。大きくて低めの声は自分に自信を与える効果があることがわかっています。
やる気が続かないときは問題が終わるごとに「よっしゃー!」
やる気が続かない時は、問題が終わった時に「よっしゃー!」「やった!」など喜びのポーズを入れること。淡々とした作業は脳が飽きてしまうので、こうした行動を入れて脳に問題が解けると嬉しい、ということを覚えさせます。繰り返していくうちに、喜びのポーズをするだけで前向きな気持ちになってくるんだそうです。
まとめ
脳科学的に証明されているやる気スイッチオン方法をご紹介しました。こうした方法を取り入れてみて「あーやる気でなーい」をぶっ飛ばしましょう。時間は有限ですから、有効活用しないとね。
ちなみに小学生向け通信教育は1回15~20分に設定されています。小学生の集中力は15分程度なので、それに合わせて設定してあるのですが、15分程度ならやる気がないときでも気力を振り絞れますよね。なるほど考えたな。でも、チャレンジタッチは低学年だと15分もかからないかなー。難しくもなく、基礎問題の反復学習をしてくれるので、学校の知識定着に効果的と感じます。
やる気はともかく勉強嫌いにしないコツは「できた!」体験を繰り返すことです!
参考:元校長ワコ先生が教える、簡単なドリルで反復学習する効果
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