【ルームアドバイザー監修】新居探し中の人必見!部屋選びで失敗しないためのチェックポイント




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立春も過ぎ、春はすぐそこまでやってきています。春は人の異動が多く、出会いと別れのシーズンです。転勤や結婚などを理由に、新年度から新しい街で生活をスタートさせる人は、今まさに部屋探しに必死なのではないでしょうか?
今回は、長年宅建士として賃貸営業に関わってきたルームアドバイザーが、部屋探しをする時に知っておくと役に立つポイントについてお伝えしていきます。

部屋を選ぶときの優先順位を明確にしておこう!

部屋探しをする際に、どんな条件を優先するのかは人それぞれ違うものです。家賃、間取り、地区年数などと言った建物自体に関する条件から、日当たり、騒音、学区、通勤時間などの立地条件や住環境に関するものまで、上げていくときりがないでしょう。しかし、これらすべての条件を満たしているパーフェクトな物件を見つけることはなかなか困難です。どこかの時点で妥協して契約しなければ、新しい生活をスタートすることはできません。

部屋を探す際には、「絶対にここは譲れない!」というポイントは何か、家族の中で話し合い、共有しておくことが大切です。

例えば、家賃を優先条件とする時「理想は6万円以内。でも物件の他の条件が良ければ6万3千円までならOK」といったように条件内容に幅を持たせておくとよいです。そうすることで、理想に近い部屋に巡り合った時に契約の決断がしやすくなります。よい物件には、同じように部屋を探している客が集中するので、春先の異動シーズンには物件が取り合いになることも珍しくありません。条件にぴったり当てはまらないからと迷っている間に、他の客に先手を打たれてしまうことがないよう、家族で必須条件の内容を共有し、優先順位を明確にしておきましょう。

ちなみにお客様を内見にご案内すると、女性は水回りを見てその整備状況や清潔さをチェックし、間取りを見て家事の動線について考える傾向にあります。男性は部屋の広さや明るさを確認する程度で、駐車場の停めやすさや道幅の広さ、勤務先までのルートなど、室内よりも建物の立地環境を重視することが多いようですが、それ以外にもチェックすべきポイントがあります!

遠方へ引っ越す際は家電製品の周波数に注意

引っ越しをする人の大多数は、現在の住居で使っている家具や家電を持って新しい住まいへ転居することでしょう。結婚を機に新居を構えるカップルには、独身時代から使っていた家財道具を持ち込む人がいるかもしれません。このような場合は、新しい住まいに持参した家具・家電製品が適合しないことがあるので注意が必要になります。

家電製品は、西日本と東日本で周波数が異なるため、対応していない型の地域では故障、または使えなくなる可能性があります

具体的には、西日本が60ヘルツ、東日本が50ヘルツの電流を供給しています。私たち消費者は、普段何も意識せずにその地域に対応した製品を使用しているケースがほとんどです。どちらかの周波数にしか対応していない製品を違う地域に持ち込んだ場合、引っ越し早々、洗濯機や冷蔵庫、エアコンや電子レンジなどの家電が使えないという事態に陥ることもありえます。製品によってはどちらの周波数にも対応しているものもありますが、念のため製品の取扱説明書や、本体裏側に書かれている周波数を確認しておきましょう。

冷蔵庫と洗濯機置き場はサイズチェックが肝心!

新居を内見する際には、メジャーを持っていくことをおすすめします。もし、忘れた場合は、貸してくれる不動産会社もあるのでたずねてみましょう。

メジャーがあれば、事前にカーテ窓の採寸をしてカーテンを購入することや、持参する家具の配置を考えることができます。しかし、メジャーの出番はそれだけではありません!メジャーを使って、事前にダイニングルームの冷蔵庫置場や、脱衣所の洗濯機置き場、ドアを開けた時の開口部の大きさを計っておくことがとても重要なのです。

冷蔵庫の扉仕様によっては、柱などの建具や壁にぶつかり、完全に開ききることができなくなってしまうことがあります。間取りによって、冷蔵庫を置く場所は限られていますので、自分の持っている冷蔵庫が左右どちらの片開きか、または両開きかを覚えておき、炊事で必要な動線が確保できるようにチェックしておかなければなりません。

冷蔵庫以上にサイズが大切なのは洗濯機です。特にドラム式は縦型より場所を取りがちなので、引っ越し先の玄関や洗面所のドア幅を通すことができず、洗面所の中に運び込めないこともあります。部屋を内見した際には、洗濯機置場の大きさや、運び入れる時に通る室内ドアの幅に問題が無いかチェックしましょう。冷蔵庫や洗濯機が新居に置けない、使い勝手が悪くなるというトラブルは、引っ越しに慣れた人には、「引っ越しあるある」的なエピソードなのです。

昼間の環境やバス停までの距離だけで契約を決断しない!

急な転勤で時間がない人には難しいことかもしれませんが、1度見て気になった部屋は、出来るだけ2回以上内見するようにしましょう。その際は、曜日や時間帯を変えて行くのがベストです。そうすることで、以前は見えなかったものが日時を変えると見えてくることがあります。

たとえば、騒音。1度目の内見を平日の昼間にした場合、2度目は土日の夕方などの時間帯に訪れるようにします。最初は気づかなかった上下階の生活音や、周辺地域の賑わいが気になることがあるかもしれません。

また、近所に消防署や病院がある場合、日中問わず救急車や消防車の出動サイレンが鳴ります。これらの施設が近くにあると、万が一の時は安心ですが、いざ近くに住むとなると話は別です。赤ちゃんや、朝早い時間に出勤する人には睡眠中のサイレンが負担に感じることがあります。時間帯を変えて複数回内見することは、騒音のみならず、部屋の日当たりの違いについても確認できるためおすすめです。午前と午後とでは、部屋を見た時に受ける印象が異なることがあります。

もし不動産会社の人が忙しそうで何度も部屋を見せてもらうのが心苦しい、不動産会社に行く時間が取れないといった場合は、どうしたらよいのでしょうか?
建物に入らなくても自分たちだけで物件についてチェックできる項目があります。

駅から近くても真っ暗では怖い!夜間の人通りや明るさ

車通勤であれば気にならないかもしれませんが、お酒の席や残業などで帰宅が遅くなった場合、特に女性の1人歩きは不安なもの。家の近所であっても、昼と夜では、大きく印象が変わります。契約を決める前に、自分が気に入っている物件周辺の道の明るさや人通りはどうか、近くに夜遅くまで空いている店があるかなどを確認しておくとよいでしょう。

中心部から本当に10分!?交通アクセスの盲点

チラシにはいくら市内中心部までの所要時間が短く、最寄りのバス停や駅が近いと書かれていても、運行している本数が少なければ便利な立地とは言えません運行会社のホームページや、掲示されている時刻表を確認し、平日の通勤時間帯だけでなく、休日や昼間の運行状況についてチェックしておきましょう。

アパートやマンションの共用部の管理状況からわかること

廊下や階段、エントランスなどの共用部の清掃が行き届いているか、植栽や花壇が枯れておらず手入れされているかどうかを見ます。

一戸建ての借家の場合は共用部がありませんが、集合住宅に入居する場合は、共用部を管理するために必要な共益費を管理会社に支払うケースがほとんどです。共用部の状態を見ると、管理会社がしっかりと建物を管理しているかどうか、よくわかります共用部の手入れが行き届いた管理会社は、建物の管理業務をしっかりとしている会社です。そのような管理会社は入居者に対しても、しっかりとした対応をしてくれることが多いので、入居後の不具合が生じた際なども安心できます。

家賃設定のからくりを見抜いて賢く契約!

これまで部屋に関するチェックポイントをお伝えしてきましたが、最後に家賃設定で見落としがちな点についてもお話ししておきましょう。

例えば、家賃68,000円・共益費2,000円の合計70,000円の物件と、共益費込の家賃70,000円の物件は、一見すると2件とも同じ条件のように思えます。しかし、この2つの物件は、月々に支払う金額は同じでも、契約から退去までのトータルで支払うお金で大きな差が生じるのです。

まず、契約時に支払う敷金・礼金・仲介手数料が違います。

通常、敷金は家賃の3~4か月分、礼金は家賃の1か月分、仲介手数料は家賃の1か月分プラス消費税です。家賃68,000円と、共益費込の家賃70,000円では、算出基準となる元の家賃が違うので、当然家賃68,000円の物件に住んだ方が支払う金額が少なくて済むのです。1~2年毎に契約更新が必要な物件で、契約更新料が家賃の〇か月分となっている場合や、契約開始日から1年未満に退去する場合の違約金が家賃の〇か月分とされている場合にも支払う金額に差額が出ます。

家賃は賃貸契約で支払う様々な費用のベースになりますので、月額賃料の合計額が同じ場合は、家賃の項目が安い物件を選ぶとよいでしょう。
ただし、物件によっては、最初から共益費や駐車料について分けておらず、家賃は諸費用込みでいくらという設定になっていることもあります。

まとめ

部屋を探すときには、つい家賃や間取りなどの条件ばかりに気をとられてしまうものです。インターネットや賃貸情報誌、物件のチラシからは見えてこない情報は沢山ありますので、是非この記事を参考にして、自分に合った快適な住まいを見つけてくださいね。

 

 

執筆:チャタロウ0523

福山市在住、宅建士