このサイトの管理人は、これでも現役のwebライターでございます。
基本的に法人サイトのコンテンツを作成していますが、担当から「こういうことを何文字で」という指示があります。
長い文章を書いていると、「何が言いたかったのかわからない」「同じことばっか書いている」という現象に出くわします。ライターも落ちやすい穴です。ですが、一応はプロなのでこの穴に落ちていてはいけません。気づいたら這い上がってこなくては。そして、穴を回避しなくては。
そこで、現役ライターが文章を作る時の小技を、現役の小中高生のみなさんにも伝授しますよ!
きちんと準備して臨めば読書感想文なんて1時間で完成です! もう怖くない!
というか、読書感想文が出るのはわかっているんだから、今からやっちゃってもいいんじゃない!?
これをやっちゃあお終いよ! 作文用紙一発書き
まずはやってはいけない行動から。
作文用紙にいきなり一発で書くことです。
文章は、書くのには時間がかかりますが読むのにはそんなに時間がかからないので、理路整然となっていないと「読みづらいね」という印象が真っ先に残ります。会話ならいいんですが、文章は一方的な情報の提供ですから、わかりづらいと相手に伝わりません。基本は「必要なことだけをすっきりと」。
だから原稿用紙一発書きはおすすめしません。とりあえずノートを用意して構成から始めましょう。
感想文が書きやすい本を選ぶ
まずは感想文に適した本選びから。
基本的に好きな本を選べばいいのですが、図鑑や辞書(…。)は感想文には向きません。いやまあ書こうと思えば書けるかもしれないけれど…
感想文は「この本を読んでどんな教訓を得たのか」ということを書くものなので、ストーリー性があるもののほうが教訓を得やすいです。
そして選ぶ際には紹介文やあらすじなどに目を通し、頭の中にどんな結論の感想が書けそうか思い浮かべます。感想文のあらすじが頭に浮かばない本は、選ばない方が無難です。
そう、読書感想文は「感想文ありき」で本を選ぶことが大切なのです。
どんな本を読んだらいいかわからない人は、推薦図書を読んだらいいと思うよ。
時間がない小学生は、こういうのでもいいかもね。中高生はラノベではなく文学作品を選ぼうね。
作文の基本構成とアウトラインの作り方
本を読んだら構成を作りましょう。
読書感想文の目的は「この本を読んでどんな教訓を得たのか」です。だから基本構成は、
- なぜこの本を選んだのか
- あらすじ(感想は入れない)
- どこが一番おもしろかったか
- この本で得たもの
この4つなのです。
これを文字数で割ります。400字詰め原稿用紙3枚以上となっているなら、1200字ですね。これを4で割ると300字ずつになります。
でも全部に同じ字数ではなんだかね、という場合は200字・200字・400字・400字にしてみるとか。結論に400字とか無理やろ、という場合は300字・300字・400字・200字とか。個人的にはこれくらいの配分が書きやすいかなと思いますが。
できましたか?
そうしたら次は下書きです。
タイトル | (ここに記入) | 文字数 |
なぜ | 300字 | |
あらすじ | 300字 | |
おもしろい点 | 400字 | |
教訓 | 200字 |
このようなものを作ります。なんでもいいよ。パソコンが使える人はエクセル使うと楽かな。その場合は、文字カウントできるようにしておいてね。
で、枠の中に自分で配分した文字数の「なぜ選んだか」「あらすじ」「おもしろかった部分」「教訓」などを書いていきます。
読書感想文用のメモを作りました!
印刷して使ってください。入れている文字数は参考程度ですので、適宜変更してください。
とりあえずノートにいつも通り文章を書いてみましょう。書いてみたら、足りなかったり逆にはみ出たりした部分が出てくるはずです。そういうところを足したり消したりして文字数通りにします。ポイントは「なぜ」「あらすじ」などのカテゴリーから脱線しないこと。
なぜ選んだのかについては、選んだ理由だけを書きます。それ以外の情報入れません。
あらすじでは、あらすじだけです。感想は入れません。
こうすることでメリハリのついた構成になります。
また、一度下書きをすることで重複する情報をカットし、「同じことを何度も書いてしまう」事態は回避できます。
さらにいえば、「おもしろかった部分」については、あらかじめ
- 主人公と仲間の出会い
- 主人公と敵の対決シーン
- 主人公と仲間との別れ
など、書きたい部分をピックアップしてさらに文字を配分してもいいでしょう。400字を3つのシーンで分けるなら100字ちょい。少ないね、じゃあ対決シーンと別れのシーンだけで200字ずつ。みたいな感じでね。
ここもしっかり「何を書くか」決めて文字配分をしておくと「同じことを何度も」「何書いているかわからへん」事態は回避できます。
ライターもコンテンツ作りのときは構成を決め、何を書くか決定し、文字を配分して書いていきます。
下書きができたら清書しよう
あーだこーだと悩んでいたら時間が過ぎてしまいましたが、感想文執筆はここからだから!
書き終わった下書きは読み直して、意味が通らないところ、漢字がおかしいところなど、変なところがないかチェックしましょう。この時、ライターは声に出して読んでみたりしますよ。すらすら読めないところは意味が通りにくい部分なのです。感想文の品質を高めたい人は一度やってみてください。
文字数クリア、構成通り。
よくできました! では続いて、作文用紙を用意し、出来上がった下書きを丁寧に写しましょう。
1時間もかからずに写し終えることができると思います。
詐欺だと?
嘘はついていない! 提出用感想文は1時間以内に完成したはずです!
上手な読書感想文をお手本にしよう
コピペは人としてどうかと思いますが、上手だとその道の専門家に評価されている読書感想文がどんなものなのか、知っておくのも高品質感想文を書くうえでは参考になる情報です。
近年の若い人は文章力が落ちていると言われています。その理由はSNSにあります。SNSは短文がメインで小説のように長い文章を使わないため、SNSにどっぷりつかって長文と縁が遠くなっている人ほど、長文読解力や作文力が落ちてきているのです。長い文章ならネット上で見てるよって?
ノンノン、ネット上の文章は、大人向けでも「中学生にもわかる」平易な文章で書かれています(※専門サイトを除く)。
スマホでぱっぱと読むには難しい言い回しはNGなんですよ。ライターの常識なのです。
長くて難しい文章を読む機会が総じて減っているため、長い文章を書くのが苦手な人が増えているのです。子どもだけではなく大人もそうです。
言語能力というのは、時間をかけて育てていく能力であるうえに、維持する努力も必要です。高い文章能力が欲しい場合は日頃から紙媒体の文章を読みましょう。スマホ利用を前提に、などという忖度が入っていませんからね。そして書く場合は先ほどのように「何を書くか」あらかじめ構成を決めて書くようにすると、理路整然とした文章になります。
小論文や卒論を書く時にも応用できます。慣れてきたら頭の中でもできるようになります。
現役小中高生のみんな、健闘を祈る。