秋の夜長におすすめ! 福ミス出身「知念実希人」を読んでみよう




仕事で読書のススメについて書き散らかしたのですが、そのとき参考にしたサイトによると「1か月に3冊以上読む人は17%」だそうです。なお、私は電子書籍含めると10冊くらい平気で読み散らかしているので、17%の中に入っています。
ところで、「本を読みたいけど、どれ読んだらいいかわかんないだよね」っていう人、多いんじゃないでしょうか?
今回は主に小説ばかり読み散らかしている私が、「この人は来る!」と思う知念実希人さんを全力で推すエントリーです。

知念実希人さんはこんな人

さて、いきなりですが。
「知念実希人」って誰なん?
て、思いません?
実は我らが故郷・福山とほんのちょっと関係がある方なんです。

ばらのまち福山ミステリー文学新人賞出身

図書館に行くと等身大の島田荘司さんがどーんといますよねー。
図書館以外ではあんまり目にしないかしら。
島田荘司さんは日本を代表するミステリー作家。福山市出身で、福山市が撮影場所になった『探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海』の原作者です。星籠はいろんな意味で衝撃的でした。福山市民は冷静に見ることができなかった映画でしょう。

東京から来る設定なのにのぼりホームに到着するんかい! とか
市役所が…! とか
稲田屋が…! とか
うどんの人が…! とか
まあ、いろいろと。
いやいいんです。福山市民以外にはあんま関係がない。玉木宏はかっこよかった。

「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」というのは、福山市が主催する文学賞で、最終選考は島田荘司さんが行います。略して福ミス。
福山市出身とか福山に縁があるとかは関係なく、「本格ミステリーなら誰でも応募可」という文学賞であり、受賞作品は本として出版されます。また受賞して終わり! の賞ではなく、小説家として活動していく人発掘する目的の賞でもあります。まあ、その後があるかどうかは受賞者次第なので、受賞作品のみ刊行された、という人もいらっしゃるのですが、精力的に作家活動を行う人もいます。知念さんは後者ですね。

現役のお医者さん

作家というのは、フリーランスです。売れた分だけ稼げる仕事。本が売れなくなって久しい昨今、本業を持っている作家さんも少なくありません。知念さんの本業はお医者さんです。

医師でもあり作家でもあるというと、「舞姫」でおなじみの森鴎外もそうですね。
「チーム・バチスタの栄光」の作者である海堂尊さんも現役のお医者さんですが、ほかにも「神様のカルテ」の夏川草介さん、「失楽園」の渡辺淳一さんもお医者さん。もっとも渡辺淳一さんは専業作家として活躍されていたので「医師と作家の二足の草鞋」とは言えませんね。

さて、知念さんは1978年、沖縄生まれ、東京育ち。子どもの頃から読書に親しみ「物語を作りたい」という気持ちを持っていたものの、祖父や父と同じ医師の道を選び、現在は内科医をされています。現役のお医者さんらしく、医療ネタが多めです。

本屋大賞にもノミネート!

本屋大賞は書店員が本当に売りたいと思う作品を投票し、決定する文学賞。一般的に文学賞は作家や文化人なとが選考しますが、本屋大賞は書店員が「売りたい」「すすめたい」と思う本を選ぶ賞ゆえに、芸術性よりもエンターテイメント性のほうが高くなります。つまり、物語としてのおもしろさは折り紙付きということ。

だから本屋大賞受賞作品は映像化されることが多いだけでなく、ヒットすることも珍しくありません。たとえば2004年受賞作である「博士の愛した数式(小川洋子)」は渡辺謙主演で映画になりましたし、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(リリー・フランキー)」「告白(湊かなえ)」「海賊とよばれた男(百田尚樹)」なども書籍・映像化作品ともにブームになりました。

また本屋大賞は受賞作だけでなく、ノミネート作品も映像化されることが多いのも特徴です。「終戦のローレライ」「容疑者Xの献身」などはノミネート作品。

さて、話は戻って、2019年の本屋大賞に知念さんの「ひとつむぎの手」がノミネートされました。
だから、知念さんの作品で映像化されるとしたら、やっぱり本屋大賞ノミネートの「ひとつむぎの手」が有力候補かなと思います。

また、重くなり過ぎない連作「祈りのカルテ」や、研修医と難病女性との恋物語「崩れる脳を抱きしめて」など、人物に焦点を当てた、ライトな謎解きを楽しめる作品群も多いんです。このあたりは、映像化しやすいんじゃないかなと個人的には思います。

どんな感じの作品なのかな? というと…

いろんなタイプの作品を書かれている方ですが、わりと気軽に読める感じの作品が多いんです。
オムニバスタイプの作品もあるし、普段読書の習慣がない人や、ミステリーってとっつきにくいわ! という人にもおすすめですよ。本格ミステリー方面の作品もあるんだけど、ライトノベルっぽい雰囲気の作品もあるので。

それはそれとして、作品も多いし、作品のクオリティも高いです。きっとねえ、何かしらが映像化されます。
個人的にはブレイクしてほしいなーと思っている作家さんです。

「本が読みたいな」と思っているけど、何読もうかなと思っている人は、知念実希人さんの作品はいかがでしょうか。ちなみに、福山市の図書館だと、「福ミス」特設コーナーがあるんで、そのあたりにまとめて置いてありますよん。

以上、管理人が好き勝手に本棚の中身を推薦するエントリーでした!

 

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