広大附属福山中学校・高等学校(以下、附属)の文化祭に行ったことがありますか?
最近、福山の中高一貫校の文化祭をあちこち見て回ってるんですが、やっぱり附属の文化祭はダントツでクオリティが高く、面白いです。
今回は、現役附属生保護者から見た、2019年の附属の文化祭レポートをお届けします。来年見に行こうと計画している方には、10倍濃密に楽しんでいただきたいと思います!
なぜ文化祭を見るといいの?
その学校の地理的条件や校内の様子はもちろん、生徒の表情や物事への取り組み方がありありと見えるのが、文化祭です。できれば何校かめぐってみると比較ができ、それぞれの学校の特徴が際立って見えてきます。
それに、中学生・高校生たちが一生懸命作り上げたイベントが、飲食関係を除いてほぼ無料(注:一部の学校では、有料イベントもあり)で楽しめるので、お得な週末の過ごし方としてもおすすめですよ。
附属の文化祭はいつ?
附属の文化祭は「学友祭」と呼ばれ、毎年、9月の初めごろの週末に行われます。2019年は9月8日(日)が一般公開日。9時30分から15時まで、各クラス・クラブなどの有志の団体が、「音楽」、「展示」、「物品販売」、「食品販売」、「体験型」、「エンターテイメント」の6部門に分かれて多彩なイベントを展開します。
翌9日(月)は、一般の人は入れませんが、内部だけで盛大な「かくし芸大会」が行われ、ステージ上で熱いパフォーマンスが繰り広げられたそうです。
附属の学友祭へのアクセスは?
附属へのアクセスをチェックしてみましょう!
自家用車
学友祭当日はグラウンドが駐車場として開放され、車での来場が可能です。ただし、台数は限られているため、時間帯によってはなかなか停められない場合も。近隣の商業施設への駐車は厳禁となっており、校内放送で車の移動をお願いすることもありますので、ご注意を。
バス
福山駅からはバスでおよそ20分、大人片道310円です。日曜日は本数がかなり少ないので、必ず時刻表を確認してからお出かけください。
JR
東福山駅が最寄駅です。駅から附属へは上り坂になり、徒歩約20分かかります。数人で行くならタクシー利用も便利。東福山駅からの料金は720円ぐらいでした。
お昼ご飯は食べられる?
毎年、6年生によるモスバーガーの販売があります。そのほか、年によってサンドイッチや和菓子などを売る団体もあり。学食の隣にある購買でも、パンや飲み物を購入できます。
着いたらまずは受付へ
附属にたどり着いたら、まずは受付へGO! プログラムと靴袋を受け取ってください。靴は自分で持ち歩くので、できればコンパクトな軽い靴で行き(重くてかさばるブーツなどは避けましょう)、リュックサックやトートバッグなど、靴を入れられるサイズのカバンを持っていると安心です。スリッパは、100円で貸出をしています。帰るときにまた受付でスリッパを返却すると、100円返してもらえるシステムです。
プログラムには、団体名と場所、体育館での公演時間などが書いてありますので、これを見ながら目的のイベントをめぐりましょう。
映画や演劇系などの企画は時間が決まっているものもありますが、プログラムには載っていません。上演時刻はプラカードを持って宣伝して回っている生徒たちを見つけるか、目的の教室のドアに貼りだしてあるものを早めにチェックし、効率よくイベントを回りましょう。
プログラムの中に「ウルトラマリン賞」の投票用紙が入っています。よかったと思う団体にぜひ投票を。最高の栄誉であるウルトラマリン賞を目指して、生徒たちは趣向を凝らしています。(「ウルトラマリン」は附属のスクールカラーで、地中海の色の「群青色」。古代ギリシャへのオマージュが附属には色々と込められているのです)
参照・広大附属福山中高HP:https://fukuyama.hiroshima-u.ac.jp/ikkan/gaiyou.html
2019年学友祭、受賞団体はこちら!
2019年度の受賞団体をどーんとご紹介しますね。
ウルトラマリン賞:「3Beeコーヒーカップ」(3年B組)
ジェットコースター、メリーゴーランドと続いた「3Bは学友祭で遊園地の遊具を手作りする」というプレッシャーを見事昇華し、ウルトラマリン賞に輝きました!
生徒たち自身で、設計から制作、当日の運営まで全てこなしています。こんなもんを作ってしまうなんて、さすがは附属生。コーヒーカップの「1台ずつ自力で回せる」と「全体がぐるぐる回る」の両方の動きを完全に再現した力作に、ちびっこも大人も歓声をあげていました。
準ウルトラマリン賞:「牧原乳業~竜アイス~」(6年B組)
毎年「31アイスクリーム」を仕入れて販売するのが恒例です。今年は特に暑い日だったため、アイスクリームに癒されました。食品販売でも、教室内の飾り付け、さわやかな接客など、生徒たちの工夫は随所に光ります。
音楽部門賞:「吹奏楽部‼」(吹奏楽部)
附属の吹奏学部は、高校時代に吹奏楽をやっていた筆者から見ても、相当なハイレベルです。体育館でのミニコンサートはいつも大盛況!今年は「夏祭り」、「QUEENメドレー」、「アラジン・メドレー」で楽しませてくれました。
展示部門賞:「Be a Flyer」「(4年B組)
飛行機を作ってしまったのがこちらのクラス。2日前までは普通に授業をしている教室に、突如飛行機を出現させるなんて、一体全体どんな準備をしているのか?設計技術、作製技術、段取りなどの能力の高さを感じさせる展示でした。
物品販売部門賞:「合ちゃん本舗」(6年B組)
お菓子とジュースの販売をした6年B組。学友祭では部門ごとに何団体までと枠が決まっているため、仕入れと当日の飾りつけだけをすればいい食品や物品販売部門は人気なのですが、忙しい6年生に譲るのが附属の伝統なのだそうです。ちなみに、もうけが出た場合は、学友会(生徒会)の会計に入り、各団体には還元されないとのことです。
食品販売部門賞:「6Dからあげたかったからあげ」(6年D組)
「からあげいかがですか~」「いいにおいしますよ~」と宣伝していた声に「えっ、においを推す?」目のつけどころの巧みさを感じた唐揚げやさんでした。
ちなみに、クラスごとに「クラT」と呼んでいるお揃いのTシャツを着ているところがほとんどなので、クラTのデザインをじっくり観察するのも、学友祭の楽しみ方の1つです。
体験型部門賞:「Who is the winner?」(4年C組)
お客さんが何かをして楽しむ、というのが体験型部門です。ルーレット、トランプなどでカジノ気分を楽しませてくれたのがこちらのクラス。勝った人には、ぬいぐるみやフィギュアなど、豪華景品が用意されていました。
エンターテイメント部門賞:「劇団4D」(4年D組)
生徒たちがお客を「魅せる」のがエンターテイメント部門です。4Dはシェークスピアの悲劇、「ロミオとジュリエット」を熱演。おふざけなしの、本格派の演劇でした。ちょうど教室のエアコンが壊れていたため、お客がすし詰めになった教室はサウナのようでしたが、高校生の爽やかな演技に魅了されました。終盤でロミオやパリスが倒れていたところには、人型の汗染みがくっきりできていたそうです。頑張った!
受賞団体以外も見どころ多数
惜しくも賞を逃した団体も、工夫を凝らしたイベントを展開していました。
個人的なお気に入りは、理工物理部のロボットや、片栗粉が固まったり溶けたりする「ダイラタンシー」の体験、天文地学部のプラネタリウム、手作りのカーレースコース、中学生の自由研究・発明くふう展の展示、ダンスなど。見どころ満載な学友祭でした。
参照・広大附属福山スクールブログ:https://home.hiroshima-u.ac.jp/fukuyam/blog/html/
助成会のバザーは長蛇の列
毎年、学友祭の1日で百数十万円も売り上げる、驚異のバザーも見逃せません。バザー会場は2か所設けられています。
1つは学年ごとに保護者が集まって作った手作り品の販売。保護者達のセンス溢れる手作り品がいっぱいです。4年生保護者は昨年生徒たちに絶大な人気だった、オリジナルの「先生たちの似顔絵グッズ」を今年も販売。長男に「Tシャツ絶対買ってきて」と言われてやっとたどり着いたときには、最後の1枚になっていました!
もう1つはいわゆる余剰品の販売ですが、セレブなご家庭も少なくないため、なんだかすごいものが激安で出品されているという噂が。残念ながら、毎年列の長さに負けておりこちらは詳細知らずです。
学友祭など行事は全て、生徒たち自身の手で運営されている
学友会や体育祭などの行事を運営しているのは、学友会本部です。生徒全員が「学友会」に所属していますが、「学友会本部」は部活扱いとなっており、やりたい人が参加(会長と副会長は選挙で選ばれています)。彼らが附属の行事のすべてを取り仕切っています。各部門の出店団体の調整に始まり、暗幕の管理から、体育館の椅子並べに至るまで、小学校だと先生がしているようなことも全て本部の仕事です。当日はぜひ、裏方の生徒たちの動きにもご注目ください。
受験生&保護者は、文化祭を見に行ってモチベーションを上げよう!
生徒たちのレベルの高さが随所に見える、学友祭。受験を考えている小中学生&保護者の方は、ぜひ遊びにいってみてください。次はあの制服を着ておもてなしする側に立つんだ!あんな企画を自分もやってみたい!勉強頑張るぞ!というモチベーションにつながりますよ。
執筆:chococakes